MUSKAのメモ帳

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貴公子であり親善大使であり、何よりもアーティストだったデニス・テン、若すぎる不条理な死。追記:2018年12月

昨日一報を聞いたときは耳を疑った。

にわかには信じられない。2014年のロシア・オリンピックで羽生結弦選手(金)パトリック・チャン選手(銀)と共に表彰台に上った。堂々たる銅メダルだ。もちろん実力のある選手でそれまでも数々の栄誉に輝いていたのだが、オリンピックは選手にとってやはり特別なのだろう。

ジョニーのツイート

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 ハビのツイート

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今朝になり、犯人も捕ったという報道があり、もはや受け入れざるをえない。なんということだ。こんな若さで人が死ぬ、殺されるなんて。

容疑者、デニス・テン選手と知らずに刺殺か 2人を拘束:朝日新聞デジタル

 カザフスタンからの報道によると、2014年ソチ冬季五輪のフィギュアスケート男子の銅メダリスト、デニス・テン選手(25)が刺殺された事件で、同国の最大都市アルマトイの地元警察は20日夕、2人目の容疑者を拘束した。先に拘束された容疑者とともに容疑を認めているという。

 2人は23歳と24歳。19日、アルマトイ中心部で、テン選手の車からミラーを盗もうとして口論になり、右太もも上部など複数箇所をナイフで刺して出血性ショックで死亡させたとされる。

 地元メディアは警察当局の話として、事件時2人は刺した相手が誰か分からず、逃走中にインターネットでテン選手だったことを知ったと伝えている。(モスクワ=喜田尚)

 

追悼文のような記事

www.globetrottingbyphiliphersh.com

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先週振付師のウィルソン(David Wilson)は、デニスからフリープログラムの振り付けを手伝ってくれないかとメールをもらったばかりだったという。

そのフリーの曲は”SOS d'un terrien en détresse” (「遭難した地球人からのSOS」という意味かな)昨年度(2017-18年)使用したプログラムである。しかしデニスは足の不調が続き、満足のいく演技ができないでいた。平昌大会も男子シングル・ショートプログラムで70.12点(27位)と点が伸びず、したがってフリー演技には進めなかったのだ。この美しいプログラムで再チャレンジしたい、それでウィルソンに連絡を取ったのだろう。

デニスがいないとわかった今、この曲を改めて聴くと涙を抑えられない。

Pourquoi je vis, pourquoi je meurs  なぜぼくは生き、なぜ死ぬのか。
Pourquoi je ris, pourquoi je pleure なぜ笑い、なぜ泣くのか。・・・

これはミッシェル・ベルジェMichel Berger — Wikipédiaの作った曲(1978年)でロックオペラ”Starmania.”のなかで歌われる。これまでに多くの人が歌っているが、カザフスタンの若い歌手Dimash Kudaibergenのバージョンをデニスは選んだ。

ちょっと見づらいが、昨年度のデニスのプログラムはこの通り。↓(ウィキペディア

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Dimash Kudaibergenの歌う”SOS d'un terrien en détresse” 

www.youtube.com

En Chine, le télé-crochet tourne kazakh

参考:

グレゴリー・ルマルシャル(Grégory  Lemarchal、1983年 - 2007年4月30日)のバージョンも秀逸。グレゴリーも短い人生だった。2005年にデビューして、私が2007年にベルギーに着くといきなりの訃報。先天性の病気だったそうだ。その後国葬にも似た葬儀があってフランス中が喪に服したのを思い出す。

www.youtube.com

 

 

今は貴重なフリーの映像

www.youtube.com

悲しすぎて今は見られないが…デニスの過去映像まとめ。

www.youtube.com

 

BBCと英ガーディアン紙の記事

www.bbc.com

www.theguardian.com

 

みんなに愛されたデニス。日本にも大勢の友人がいた。みんな心にぽっかり穴があいた気持ちだろうね。

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www.instagram.com

Denis Ten: Olympic figure skater stabbed to death - CNN

  

ご冥福をお祈りします。 

追記:2018年12月

無念の死をとげたフィギュアスケーター、デニス・テンの思いは別の世界で再生。彼の脚本が映画化(斉藤博昭) - 個人 - Yahoo!ニュース

引用

・・・

そんなデニス・テンの思いが、映画になって復活すると、ロシアのニュースサイト「sport.business-gazeta」が報じた。

デニス・テンは映画の脚本を構想していた。彼は死の6日前に、自分の作品を映画会社による脚本コンテストに応募し、準入選(セミファイナル)のランクまで進んだことを明かしていた。7月14日、死の5日前に彼がインスタグラムに残したコメントによると、世界中から250本以上の応募があり、その中で準入選に残ったのは18本だったという。デニスの脚本の内容は、青年と聾(ろう)の少女とのラブストーリーだそうだ。

・・・

ティムール・ベクマンベトフ監督)

2004年、監督したロシア映画のダーク・ファンタジー大作『ナイト・ウォッチ』がロシア国内で異例の大ヒット。その評判が世界各国に広まり、同作は日本でも劇場公開された。

そしてベクマンベトフの祖国こそ、デニス・テンと同じ、カザフスタンなのである。

ベクマンベトフによると、スポンサーとの交渉で製作費に目処が立ち、映画化の最終判断を下すべく、デニス・テンの母親に会うためにカザフスタンに向かうという。そしてすぐさま撮影を開始し、2019年内の劇場公開をめざすそうだ。・・・

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